八代経済開発同友会が創立60周年を迎えられましたことを、心からお喜び申し上げます。
貴会におかれましては、歴代の代表幹事をはじめ会員の皆様の八代地域の経済発展と輝かしい未来の実現に向けた活動を通じ、長きにわたり地域の振興に大きく貢献されてこられましたことに深く敬意を表します。
さて、八代地域は、九州の各都市と結ばれる幹線道路や高速道路インター、首都圏や関西圏とつながる新幹線駅、更にはアジアとの交流拠点となる八代港を有するなど、県内、国内外への交通の要衝となっています。また、広大な平野と九州山地から流れる豊富な水を活かし、県内有数の農業が盛んな地域でもあります。
県南地域の中核を担うこの八代地域の振興が、県全体の発展に不可欠と考え、知事就任以来、様々な取組みを推進して参りました。
具体的には、八代港の機能強化と新規航路の誘致に取り組み、国際クルーズ船の就航や台湾航路の更なる利用促進の実現につなげています。
また、食を通じて地域活性化を図る「くまもと県南フードバレー構想」は策定から今年で10年目を迎えますが、平成27年に県南フードバレー構想推進の拠点「フードバレーアグリビジネスセンター」を整備し、これまで地域の農産品を使った多くの新商品を開発してきました。
一方、県南地域は、令和2年7月豪雨という未曾有の災害で大きな被害を受けました。私は、単に災害からの「復旧」を目指すのではなく、災害からの「復興」を地域の再生・発展につなげていくため、「緑の流域治水」という新たな復興の理念を掲げました。この理念のもと、地域の皆様とともに球磨川流域の創造的復興を成し遂げることで、県南地域全体の発展につなげていきたいと考えています。
また、本県には、TSMCの進出という100年に一度のビックチャンスが訪れております。県南地域を含む県内全域にこの波及効果を高めていくことは県政の重要な課題であり、地元自治体や商工団体の皆様とこれまで以上に連携し、地域活性化に全力を挙げて取り組んで参ります。
最後に、貴会の益々の御発展と、会員の皆様の更なる御活躍を祈念して、お祝いの言葉といたします。