八代経済開発同友会の創立60周年、並びに60年史の刊行を心からお祝い申し上げます。
また、貴会におかれましては、八代地方における経済・産業の発展並びに地域振興のために、大きく貢献されてきたことに深く敬意を表する次第です。
貴会が創立された昭和38年ころは、東京五輪を翌年に控え、戦後日本が大きな変貌を遂げようとしていた時期で活気にあふれ、当時、国民総生産の増加率は毎年前年を10パーセント上回るという、高度成長の真っただ中でありました。
しかし、その後いざなぎ景気と続いていった戦後経済も1973年におきた第1次石油危機をきっかけに高度成長は終焉を迎えることになりました。このような時代において歴代の代表幹事をはじめ役員や会員の皆様のたゆまぬ努力と、進取の気概や故郷への熱い情熱をもって、八代地域における諸課題に積極的に取り組んでこられ、政策提言やその実践活動は地元のみならず広く認知される組織としての基盤を築いてこられました。
しかしながら、その陰では幾多のご苦労があったことは容易に推察できるところであり、ここ10年を振り返りましても熊本地震、令和2年7月豪雨といった自然災害や、コロナウイルス感染症拡大など八代地方は大きな試練にさらされました。コロナウイルス感染症拡大では地域経済への影響も大きく、外出自粛等により飲食店を中心に大きな打撃を受けることとなり、八代市では、市や県の支援の受け、経済4団体と行政とが連携し「安心なまちやつしろプロジェクト」が立ち上げられ、県の認証制度に連動した感染防止対策や、デジタルプレミアム商品券事業など地域経済の停滞回避の方策が講じられてきました。
今後は、地域社会でも、少子・高齢化や、人口の減少が進む一方で、グローバル化やデジタル化、SDGsなど時代の潮流にも敏感に対応していかなければなりません。
私たちが暮らす八代市は、海、山、平野部と多様な地勢を持ち、素晴らしい自然や歴史に裏打ちされた観光資源も豊富です。また、八代港並びにくまモンポート、陸地の要衝ともいえる八代インター・八代JCT、九州新幹線といった交通運輸網を活かし県南の核として、今後更なる発展に期待するものであります。
経済4団体が一層連携を深め地域経済振興の動輪となり、その使命を果たしていかなければとの思いを強くするとともに、貴会にはそのリーダーとしてご指導賜りますようお願いいたします。
八代経済開発同友会の一層のご発展と会員の皆様のご活躍並びにご健勝をお祈りしお祝いの言葉といたします。